ここへ行ってきました 

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2019.10.30−31 志賀高原〜草津白根山

 今年の紅葉狩りは志賀草津高原ルートにしようと、早くから決めていた。そしてできれば志賀高原山麓の地獄谷の猿に会いたいと思った。
ところが間近になって、台風19号(令和元年東日本台風)が日本列島を広範囲に襲ったのである。

 千曲川の氾濫で北陸新幹線は水浸し、各所で一般国道も崖崩れ。家を潰され、農水産物に甚大な被害をもたらした。そんな訳で予定のルートは使えなくなってしまった。

 そこで大きく迂回することになるが、上信越自動車道を通って湯田中温泉へ行くことにした。なんせ宿を予約して有ったので、日時を変更するわけにはいかなかったのである。
 途中、碓氷軽井沢IC付近で突貫工事で仮復旧した片側一車線の交互通行の箇所があり、渋滞を余儀なくされたが、何とか、湯田中温泉に到着した。

 ここから近くにある疑獄谷の野猿公苑を見ようと、問合せしたところ、今日は猿は来ていないというのである。仕方がないからホテルから街中マップを貰って散策をすることにした。

 湯田中には小林一茶の散歩道というのがある。先ずは一茶堂。
 一茶は湯田中の友人と交流があり、足しげく訪ねている。この一茶堂は昭和31年(没後百三十年)を記念して建立されたものである。内部には寺瀬黙山(てらせもくざん)作の一茶乾漆像を安置してあったが現在は温泉街の梅翁寺に移されている。


一茶堂

 歩を進めると一茶の句碑があった。


一茶句碑

 更に歩を進めると休憩の庵がある。夏は風がとおり、さぞ涼しいことだろう。そして世界平和聖観世音菩薩に着いた。


休憩の庵


世界平和聖観世音菩薩

 観音様の右手に急傾斜の石段があり、これを登って行くと弥勒石仏がある。山ノ内町の史跡に指定されている。

 格子組みの建物の中に安置されている。



弥勒石仏

 湯田中温泉は狭い山沿いの場所に意外と見所がある。ひととおり散策を終えて、もう一度、地獄谷野猿公苑に電話をしてみたが、猿は山から下りて来ないというのである。考えてみるとこの季節は山奥に木の実などが十分あるだろうし、そう寒くはないから無理もないと諦めて、我らはホテルの湯に浸かったのである。

 翌31日は志賀高原の方を見上げると、霧が垂れ込めていた。地獄谷野猿公苑に電話をしてみたが、やはり猿の姿はないという。帰宅は高速道路を通るしかないかと諦め、チェックアウトを遅くした。信州リンゴを買いたいと思い、スマホで調べたら「道の駅 北信州やまのうち」が見つかった。ホテルから近いし、志賀高原へのアクセス基地にもなっている。さすれば草津への通行可否についても情報が得られるかも知れない。そんな訳で迷わず道の駅へ向かった。
 訳ありのリンゴをシコタマ買い、昼食も摂って、もしかして猿はどうかと電話をしてみたが、これは駄目だった。
 しかしここで得た情報は霧も晴れ、群馬県への峠越えは可能の公算が強い、巧くいけば、有料道路の万座温泉ルートを通らず、草津へ下りられるかもしれないというのである。我等は躊躇なくR292号をひた走った。

 最初の経由地は、澗満滝展望台である。角間川の崖を一気に掛け落ちる。落差は107m、展望台から滝までの距離約700m。


澗満滝

 展望台の近くには炭焼ガマがある。


炭焼ガマ

 展望台を離れて高度を増すと志賀高原の中心地である。琵琶池・丸池など、大小の池が散在し、沢山の観光施設がある。


琵琶池

丸池

 長野県から県境の渋峠を越えると、眼下に芳ヶ平が見えた。霧が消滅しようとしている。そして日本国道最高地点からは、草津白根山の噴煙も見えるではないか。近くに二人の監視員がいて、「たった今霧通行止めが解除されました。草津へおりられますよ」という。まさにラッキーだった。


芳ヶ平

日本国道最高地点

 終わり良ければ全て良しの旅行で有った。

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